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[コメント] ハムレット・ゴーズ・ビジネス(1987/フィンランド)

ふんだんに死体が盛り込まれたカウリスマキ流メロドラマ。決して悪くはないし、すばらしいショットもいくつかあるのだが、私にはちょっと物足りない出来だ。ここでのカウリスマキは『ハムレット』と「資本主義批判」をうまく融合させることにばかり囚われているように見える。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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ピルッカ=ペッカ・ペテリウスカリ・ヴァーナネンを殺害する方法、即ち「頭にラジオをかぶせてロックを鳴らす」には心の底からたまげた。私の映画の見方はとても野蛮なので、よくできた物語よりもこのようなびっくりするイメージをもっと見たいと欲してしまう。

結末は一見冷徹でブラックきわまりないものであるが、「資本家どもが全員死亡(自滅)し、労働者が最終的に勝利する物語」として見れば、カウリスマキにとっては理想主義的な結末であるのかもしれない。エンドクレジットの流れるラストシーンは、『マッチ工場の少女』のオープニングを予告するかのような工場の機械を淡々と捉えたショット群。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)寒山拾得[*]

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