[コメント] スパイ・ゾルゲ(2003/日)
考えさせられるところが多い映画だった。最後の作品がこれだけの出来であれば、篠田正浩も満足なことだろう。[有楽町朝日ホール (試写会)]
ゾルゲが自らの運命を託した組織=祖国ソビエト、ひいてはその拠って立つところである共産主義。ゾルゲが正義であると信じて疑わなかったコミュニズムは、だがしかし、ひとときの幻想でしかなかったという評価が時代によって下されるのであった。
それでも、篠田監督はそんなゾルゲを否定はしていない。彼の行動もまた、この地球上に道をつくるために他ならなかったのだから。
ところで個人的には、普段は役者の演技で作品を観ることは滅多にないのだが、この作品ではイアン・グレンをはじめとして達者な芝居を見せてくれる役者ばかりで堪能した。一番大根だったのが岩下志麻であるというのも、またいかにもな話ではあるが。
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