[コメント] 鏡の女たち(2002/日=仏)
ダサい映画だ。「今日は11日。あの人が誘拐事件を起こす日」「私のアイデンティティを広島で見出したわ」みたいな科白連発も、科白に被せる劇伴も、窓から見える都庁の捨てカットも恥ずかしい。比べれば鈴木則文は徹底的にクールである。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ホラー抜きの黒沢清のテイストという褒め方もあるかも知れず、海岸と障子越しの女の子などそれっぽいが大した展開もない。演劇的に下手糞な云い回し、「協力していただけないかと思って」「協力?」みたいな科白がともかく痒い。
田中好子の記憶喪失なんて設定は古臭いし、岡田茉莉子は齢取って発声が震えかつてのクールネスはどこにもない(それともこんな演技をしているのだろうか)。音楽だけは昔通り前衛的で延々同じフレーズを使い回して何やら意味ありげに粉飾する手法も相変わらず。
岡田と田中好子の関係や如何、母子手帳は田中好子のものなのか彼女が拾ったのか、同じ鏡の割れ具合、なんてサスペンスで引っ張るが、結局何も出てこない鼠一匹の収束もいつものこと。原爆症の父を伏せた母という原爆被害者の扱いも微妙で、古井由吉みたいな朦朧系の発狂のネタに使いましたという以上のものが感じられなかった。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。