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★4 | 化け猫あんずちゃん(2024/日=仏) | 山下敦弘!いまおかしんじ!ウヒャヒャと逸る心と真相を隠し、私事だが初めて家族総出で洗礼のために劇場に足を運んだのである。結果はかなり好評だったのだが、私個人としては「洗礼」の意味での狙いは外したかもしれない。要はヘンだがヌルいトトロ+クレしん+湯浅正明という受け止め方以上でも以下でもなかったのだ。いや、その受け止めでも全然いいし、とても面白かったんだけど。 [review] | ペンクロフ | [投票(1)] |
★1 | 残穢 住んではいけない部屋(2015/日) | どこまで辿っても人間の闇、闇、闇。そしてそれは終わらんのだとこねくった設定で勿体ぶるのだがそりゃそういうもんやろがいとしか思えない。その「奥」がないのは作り手も演じ手も善良過ぎるからだろう。脱ジャンプスケア志向もアイデアの欠如を晒しただけで壮絶に眠い虚無的仕上がり。黒沢清の邪悪、白石晃士のアホなエネルギーが眩しく見える。 | t3b | [投票(1)] |
★4 | ニューオーダー(2020/メキシコ=仏) | 劇中、結婚式を除けば劇伴は冒頭とラストのみ。冒頭は、「死者だけが戦争の終わりを見た」というタイトルの抽象画をバックに、ショスタコーヴィチの交響曲第11番の一楽章導入。冴え冴えとした空気に滲む流血の予感。ここからすでに破滅の足音が凄まじい。「侵食」の映画。
[review] | ゑぎ | [投票(1)] |
★4 | THE BATMAN ザ・バットマン(2022/米) | 「またお前か」の感はあるが、もう日本人にとってのゴジラみたいなフォーマットなのだろう。「探偵」の性質が強調された、恐らく史上最弱のバットマン。驟雨に打たれるアメリカの自分探しと襲来するアイデンティティの喪失・転倒の反復。念入りに編まれた既視感こそが肝。ゾーイが超絶美人で眼福。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★4 | 哀れなるものたち(2023/英) | ようこそ、この滅びと生の不思議の国、「人間の世界」へ。シン・『シザーハンズ』+不思議の国のアリスの趣。哀れなるものたち、抑圧と解放、被害者と加害者を己の中に同居させる不思議な獣。世界のバランスに関するグロテスクな寓話。ややもすると宮崎駿の生き霊が憑依している。面白いが、撮影はやり過ぎ。 [review] | 月魚 | [投票(1)] |
★4 | ロスト・ハイウェイ(1997/米) | それまで「穴」「光」「カーテン」を介して異世界と繋がっていたのが、ここから「顔(肉体)」「名前」を介してねじれた迷宮を創造するようになった。それらが「穴」(結節点)になったのだ。そして「穴」は拡散し、偏在するようになる。何が中で外か、前か後か、果てない混沌が広がる。変哲のない部屋、陽光をこれだけ恐ろしく、しかし蠱惑的に撮れる監督はやっぱりいない。 [review] | ゑぎ | [投票(1)] |
★2 | サタンタンゴ(1994/ハンガリー=独=スイス) | 鐘の音、汚いアコーディオンのメロディがこびりつく。体臭や口臭、饐えた臭いに満ちている。ノアの洪水のように雨がいくら降っても何も洗い流せず、その感傷も含めて何もかも無価値だ。カットの長さの意図も分かる。ニヒリズムの極北を語る不退転の覚悟は無二のものがあるが、まあ、有り体に言って、大嫌いな映画だ。何か嫌いなものに立ち会えば、逆説的に、自分が何が好きかわかる。そのことは大変有意義なことだと思った。 [review] | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★4 | 最後まで行く(2014/韓国) | 大山鳴動して鼠一匹の奥行きのなさが残念だが、コーエン嫡流的なノワールコメディとしては十分以上に面白い。即ち運命(プロット)に嗤われる主人公。あたふたと情けなくエネルギーを発散する人間のおかしさ。爆笑ポイント多数。 [review] | ひゅうちゃん | [投票(1)] |
★4 | ドラッグ・ウォー 毒戦(2012/香港=中国) | 策謀も、捜査も、痛みや死ですらも、ひたすらに手続き的。無情緒による情緒というものがある。混迷が底無しに深まり、崩れかけても崖っぷちの爪先立ちで無表情を貫くスン・ホンレイから、却って無常感が立ち上がる。好演である。対してひたすらに濃ゆい顔面のルイス・クー。
[review] | disjunctive | [投票(1)] |
★2 | マリグナント 狂暴な悪夢(2021/米) | ???「不安、緊張、恐怖、先の見えない展開で観客を宙吊りにし、解決への興味を持続させる。そして、物事には必ず裏表がある。サスペンスの基本だね。」ジェームズ・ワン「ほーん・・・」 [review] | ひゅうちゃん | [投票(1)] |
★3 | ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結(2021/米) | 一見さんお断りなのか知らないが、そのメンタルで何故そうなるのか分からないキャラの乱舞、百歩譲ってそういう物語としても使い捨て・卓袱台返しの濫用でエモーションが滅茶苦茶。その割に鼠少女の大見得が読めてしまう(感動的だが)等とにかく歪で、ウェットにしたいのかドライにしたいのかどっちやねん、と。しかし、だからこそジョン・シナの真っ直ぐな「信念」の狂気が屹立するとも。
[review] | けにろん | [投票(1)] |
★3 | 渇き(2009/韓国) | 神だの背信だの地獄だの、勿体ぶったモチーフが下世話な「痴情のもつれ」とグロ、情念に蹴散らされていく可笑しさ。結局人間てそんなもんやん・・・で済ませていいのか分からない食えない映画。たまにコーエン兄弟がどこまでふざけてるのか分からないの撮るでしょう。あれに近い印象。 [review] | 寒山拾得 | [投票(1)] |
★4 | へレディタリー 継承(2018/米) | トニ・コレットに●●したのは◯よりむしろシェリー・デュヴァルだろう・・・というお話はともかく、『シャイニング』(キューブリック版)等が正しく踏まえられた達成。演出面のオマージュも然りだが、家族という牢獄の中で、秘められた不信と憎悪が顕になることで事が粛々と運ばれる底意地の悪さも。 [review] | disjunctive | [投票(1)] |
★4 | アフリカン・カンフー・ナチス(2020/独=日) | すばらしい闇鍋映画。笑うべきかどうか少しだけ迷ったが、すぐ笑うことに決めた。人類の敵は悪意をもって嗤ってやらねばなるまい。公式サイトと東條役秋元義人氏のサイトも必見。 [review] | 寒山拾得 | [投票(1)] |
★4 | DAICONFILM版 帰ってきたウルトラマン(1983/日) | 『風の谷のナウシカ』巨神兵が荒ぶるシーンでの庵野さんの関与を知った事を契機に、「庵野は爆発だ」「爆発が観られればモトが取れる」と真剣に考えているファンとして、期待に見合う爆発とカッティングが観られて嬉しい。しかしそれだけではなく、あのダサいジーンズでの飛び蹴りには不覚にも胸が熱くなってしまった。熱くなってしまったものはどうしようもない。 | クワドラAS | [投票(1)] |
★4 | ディック・ロングはなぜ死んだのか?(2019/米) | 『ハングオーバー』フォロワーかと思ったらポストコーエン兄弟だった件。たちの悪い冗談のような人生。笑うべきなのか、嗤うべきなのか、悲しむべきなのか、再三さりげなく差し挟まれる十字架の作用もあって、複雑な感慨に放り込まれるが、コーエンより心根が優しい気がする。脚本がすごくいい。断じてただのバカ映画ではない。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★3 | ガンズ・アキンボ(2019/英=独=ニュージーランド) | 手垢な人間狩りモノだが、安全圏から視姦するクソリプ野郎がバーチャルからリアルに放り込まれて生を知るという、これも手垢っちゃ手垢だが割と好き。演出は典型的なゲーマー世代の代物で好悪分かれ、瞬殺されておかしくない状況を切り抜ける展開にヒネリが欲しいが、ラドクリフ君の痴態は笑ったし、何より無双殺人鬼サマラちゃんの三白眼マッドネスという背徳キュートと啖呵。フィクションにだけ許された倫理的特権。 | けにろん | [投票(1)] |
★3 | グッバイ・クルエル・ワールド(2022/日) | 『GONIN』の縮小再生産。核のふたりの虚無、刹那感が表層的で、自分に酔った愚か者にしか見えない。参照されたと思しき(今や)古典からの引用も半端で、特に終幕の海の微妙さには首を傾げる(たけしさんいかがですか)。美意識ってものがありそうでない。『GONIN』には美意識があったのだ。あれが良かったのだ。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★2 | オールド(2021/米) | 容赦なく過ぎ去る圧縮された時の中でいかに赦すか赦されるか。恍惚と忘却の奇跡など心揺さぶられるシークエンスもあるのだが、そこはやっぱり掘り下げない(掘り下げられない)。強迫観念的にスリラーシーンとオチをつけて、過程の旨みをスルーする安定のシャマラン。ヴィッキーもトーマシンも魅力に欠けた撮り方で、ファンとしては嘆息するしかない。 | ゑぎ | [投票(1)] |
★2 | ザ・ウォード/監禁病棟(2010/米) | 残念ながら、清々しいまでにつまらない。カーペンターの精髄って、絶対に整合性とかオチとはかけ離れた、自分の脳ミソの知らないところを揺さぶられる感覚だと思うのだが、ここには何もない。ショック演出の陳腐に嘆息。ダンスシーンの禍々しさも、『インランド・エンパイア』の百倍希釈レベル。 | t3b | [投票(1)] |