コメンテータ
ランキング
HELP

水那岐さんの人気コメント: 更新順(20/82)

人気コメント投票者
★4ひまわり(1970/伊)桜の花は死者の血を吸っているから美しいという話があるけれど、ひまわりが愛する者の血を吸って咲き誇ってくれたならどんなにいいだろう。少なくともそれなら、ひまわりは自分の方を向いて笑っていてくれるのだから。 [review]YO--CHAN, けにろん, Orpheus, デナほか16 名[投票(16)]
★4岸辺の旅(2015/日=仏)優しくも未練がましい人間たちの縮図。かれらは黒沢清という演出者の瞳になんと好意的に眺められ、浄化されてゆくことだろうか。ひとびとの執念を断ち切りやすらかに終わらせる男として、浅野忠信の自然体はほんとうに似つかわしい。そして肉体に固執してやまない深津絵里すらもなお、その見苦しさを監督に愛されていることが判る。そして亡霊描写の品性も評価できる。 [review]セント[投票(1)]
★4きみはいい子(2015/日)一貫して家族関係の業やささやかな交歓を演ずる作品を発表してきた、呉美保監督の第4作。祝福とともに生まれながら、往々にしてトラブルの元になり大人たちを苛立たせる「子供」というものの集大成だ。 [review]けにろん[投票(1)]
★4武士道シックスティーン(2010/日)近頃珍しい、正しいスポ根映画。とかく「楽しんだあげく勝てたらそれがラッキーじゃん」みたいな作品が横行する昨今、「楽しみつつ必ず勝つ」と大上段に振りかぶった少女物語は人間の物語として納得できる。と同時に、恋愛の相手ではない男性と、好敵手によって研鑽される構造は、図らずも男性的な構造をも成す作品である。 [review]KEI, tkcrows, 3819695[投票(3)]
★3こんにちは赤ちゃん(1964/日)悪人の這い入る隙のない無邪気で温かい群像劇だが、楽曲ヒットに合わせての脚本ではこんなものか。愛すべきキャラクターは多いが、やはりここは桂小金治夫婦が迎えた子供を全員で祝福するシーンで締めてほしかった。そして吉永小百合の出しゃばりも控えてもらいたい。芦川和泉はそれぞれの世代を代弁する甘酸っぱさの好キャラ。ぽんしゅう[投票(1)]
★4美しい夏キリシマ(2003/日)南国の有無を言わせぬダイナミックな自然のもとで、戦争は限りなく卑小な出来事に近づいてゆく。そしてだからこそ、個のレベルにおいてのその事実は哀しく深い。 [review]けにろん, NAO, 甘崎庵, 町田ほか8 名[投票(8)]
★3サンドラの週末(2014/ベルギー=仏=伊)いわゆる大衆のなかのひとりを取り上げ、その「皆にとってあり得る」死活問題を淡々と述べてゆくということ。それがあくまで平々凡々とした危機であるゆえに、これで緊張感を保つ手腕というのは簡単に身につけられるものではないとは判っている。全くそうではあるのだが、これは「それだけのこと」であり、劇伴音楽を伴わずして展開される「二日と一夜」の劇は深刻そうな他人事であった。けにろん, jollyjoker[投票(2)]
★2レッド・ファミリー(2013/韓国)隣家のクズ家族すら、独裁北政権の工作員たるフェイク家族には憧憬に値したというブラックユーモア劇。しかし捨石に甘んじる美しい仮面家族を見るにつけ欺瞞は大きく胸を揺さぶる。かれらの故国は客観的に見て地獄だが、それをただの地獄と規定する南の自己肯定もまた醜悪にしか見えないのだ。ギドクの思いが真剣でも、これはプロパガンダの域を出ない。けにろん[投票(1)]
★2サンシャイン 歌声が響く街(2013/英)夢も希望もない視野狭窄型似非ミュージカルに詰め込まれているのは、ただただ犬も食わない夫婦喧嘩の類だけだという単純な事実。最後のスペクタキュラーとして唯一示された群舞シーンも、『ロシュフォールの恋人たち』の冒頭シークエンスにすら敵うこともできず、その上に社会批判を持ち込んだ『ヘアー』の内包する快美感すらない。所詮は音楽劇の皮を被った三流ホームドラマ。3819695[投票(1)]
★2Death Note デスノート the Last name(2006/日)無駄な先入観を絶つため原作には目を通さなかったのだが、こんな例外だらけの物語ではルールの確立によって生じるスリルなどあって無きが如しではないか。 [review]ダリア, チー, らーふる当番[投票(3)]
★3Death Note デスノート 前編(2006/日)漫画原作がある以上それに従ってのことではあるのだが、主人公を美少年にする必要があるのだろうか?それは金子修介が一番よく知っている。 [review]ダリア, ミュージカラー★梨音令嬢, まー[投票(3)]
★2サマーウォーズ(2009/日)面白くないということはない。しかしそれは予定調和としての面白さであり、きわめて表層的な印象しか残さない。主人公が登場人物の中で一番地味な物語では、やはり全体が色褪せて見えるのもやむを得まい。もし「連帯」をそれよりも先に置くならば話は別だ。この物語ではむしろそここそが徹底されていないからだ。 [review]るぱぱ, 緑雨, TM, 天河屋ほか11 名[投票(11)]
★4パレードへようこそ(2014/英)お気軽なシチュエーション・コメディと思って見れば、随分と重いテーマを抱える問題提起の一篇だったことに驚く。ゲイ先進国のイギリスではあれ、エイズが不治の病との常識があった当時でもあり、村の偏見は根強い。それでもゲイに好意的な太っちょ婦人ジェシカ・ガニングや、プライベートな意思表示に躊躇する男ビル・ナイの存在に現代を感じさせられる。jollyjoker[投票(1)]
★3ニワトリはハダシだ(2003/日)なるほど、森崎東の怒りを思い切り叩きつけた「怒劇」なのはよく判った。しかし、その俎上に知的障害者問題、在日問題、警察の汚職や暴力団との癒着、果ては天皇制まで上げてしまおうというのは無理があり過ぎた。そのせいで描かれるべき一家族の成り立ちの描写が弱くなってしまったのは惜しまれる点である。寒山拾得, 死ぬまでシネマ, セント[投票(3)]
★4百日紅 〜Miss HOKUSAI〜(2015/日)原恵一の手腕も円熟を見せ、心情描写の冴えはすばらしい。そして怪異を自然なものとして描く力も侮れるものではない。だが、惜しむらくは各エピソードの独立をそのままに描いているため、挿話ごとの乖離が目立ち、観客は一気呵成に観ることなく早くも開演後15分で息をついでしまう。ヒロインの主観描写ですべての物語をしめるわけにはいかなかったか、と無理な注文をつけたくなる、そんな出来を惜しむ俺だ。ペペロンチーノ[投票(1)]
★4狼(1955/日)ここにも戦争の影が落ちている。どこか哀愁のみならずユーモアすら漂うひとときの犯罪は、生活を明るいものにするには程遠い、ささやかなものだった。犯人たちを眺める新藤監督の瞳は、どこか優しい。寒山拾得, 氷野晴郎[投票(2)]
★5母(1963/日)根源的な女のしたたかさを母である乙羽は体現する。彼女の周りには理不尽な死と別離がつきまとうが、彼女は夫を替え続けても命の脈動を連続させようとする。その一途で貪欲な生への渇望が、物語自体のベクトルをも変えてゆく。 [review]寒山拾得, けにろん[投票(2)]
★4別離(2011/イラン)アッラァ神への畏れを他国民よりも格段に行動の指針にするとはいえ、ここにいるのはイランという土地に住む我々と同じ庶民である。告訴の応酬も、己の立場を優位にするために重ねられる偽言も、すべては愛する家族のためでありエゴとばかりは断ぜられない。それでもとことん騙し合いを続ける大人たちは、なんと子供たちを逆に傷つけすぎていることか。jollyjoker, ぽんしゅう, セント[投票(3)]
★3ANNIE アニー(2014/米)ヒット作ゆえにオリジナル・ナンバーの魅力におんぶするのみかと思えば、それなりに奮戦しているようで退屈させない。だがコメディ畑のウィル・グラック監督にダイナミックな演出で見せるミュージカルシーンを求めるのは無謀だったか。携帯とヘリの小道具駆使にも無理はあった。クソガキクヮヴェンジャネの好演にもましてディアスのビッチ演技はやはり見事だが、ミュージカルの「特異性」をもっと認識されたい。 [review]3819695[投票(1)]
★3三万両五十三次(1952/日)チャンバラの殺陣の技術結実にはまだまだ早すぎた観あり。ここは轟夕起子の艶っぽい年増振りを楽しむに限る。そして大河内伝次郎のキャラの薄っぺらさは長尺ならざる本作の恨み。ここは90分は欲しかった。エイト[投票(1)]