[コメント] 扉をたたく人(2007/米)
深夜に何気なくつけたチャンネルで珠玉の映画に出会った。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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音楽をキーにしながらなんと静かな映画だろう。そして静かな慟哭なのだろう。
人と人を隔てる国家という一枚の強固なガラス板。見えない監獄を思わないではいられない。普通の人生を普通に生きてきたひとりの男がふと足を止めたときに出会った「隣人」。そしてすぐ近くにありながら見えなかった「真実」。
ラストのシークェンスは素晴らしいの一語に尽きる。男の叩くドラムのリズムには誰も興味を示さない、地下鉄の音にかき消されてしまうような小さな音だ。しかし、叩かないではいられないんだ。「隣人」から「かけがえのない友人」になったその友は、これから間違いなく過酷な人生を歩むことになるだろう。男の人生を救ってくれた友人たちのために今、男にできることはドラムを叩くこと以外になにがあるだろう。そのリズムは、祈りそのものなのだ。
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