本作に関して…は、以上。

３Ｄに関して… 活字から映像、静止画から動画、モノクロからカラー、そしてディメンジョンは平面から立体へ…。手紙からメール、電話からテレビ電話へと技術が進むたびに僕たちが受け取る情報は格段に増えた。歓迎すべきことだ。だけど、本来僕たちの脳には「見えないものを見ようとする」働きが備わっている。情報が少ないからこそ、かえって伝わることもある。映画で言えば流行の手ぶれ映像や弱い光量、敢ての断片映像やストーリー。情報が欠落しているからこそ脳が勝手に補完してより大きく、美しく、そしてリアルに感じる経験は誰しも少なからずあるはず。

本作の３Ｄはこれまで観た映画の中でいちばんリアルだった。感動的ですらある。でも、相当大きなスクリーンだったはずだけど極めて限定的で、小さく目に映った。そしてドラマを描く技術としてはかえって邪魔だと感じた。これからの映画の本流にはなりえないだろう。いや、むしろなってもらっては困る。これはこれ、という感じで遊園地的に残っていってほしいものだ。