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[コメント] ロッキー・ザ・ファイナル(2006/米)

「ちっぽけな自分にどこまでできるか?」。スタローンこそはロッキーであり、ロッキーはスタローンそのものであったことを自ら原点に立ち返って呟くように語りかける。説教臭いのもスタローンがジジイになったと思えばそれもまた一興。
すやすや

いうまでもないが、スタローンのフィルモグラフィーというか作品づくりの傾向ははそのまま『ロッキー』シリーズがなぞっている。

ロッキー4』の脱線ぷりは、スタローンを筋肉無能アクション映画と駆り立てたし、『ロッキー5』の混迷ぶりはそのまま役選びの混迷ぶりと一致している。

そして『ロッキー』こそはどの映画会社からも相手にされていなかったスタローンが自分を売り込むために書いた脚本で、それをぎりぎりの低予算によって完成させた。 ロッキーと同じように勝つ(ヒットする)つもりなんかはなく、自分のできることを精一杯やっただけだった。

今回も第一作と同じ境遇で制作はスタートしている。 どこの映画会社からも断れ(まあ、ふつう断るよね)、「60歳でロッキーをやる??そりゃ無理だろ!」とバカにされても自分で予算を集めて低予算でこの映画をつくった。 そう、この映画の中のロッキーそのままなのである。

そういった苦しい状況の中でスタローンは自分の映画にとって何が大切なのかを再確認したのだ。

今の自分に何ができるかをチャレンジすること。 第一作が持っていた熱いスピリッツを取り戻すこと。

内容は第一作には及ばないものの、大切なハートと情熱をスタローンが取り戻したことがとても嬉しく、大甘で5点。

(評価:★5)

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