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[コメント] ゴジラVSキングギドラ(1991/日)

都庁での対決シーンにがっかり。怪獣を俯瞰で撮るバカがどこにいるんだよ!! 怪獣ってのはなー、人間視点で撮らないとダメなんだよ。「あおりで撮ると照明が写るんです」なんて言い訳は聞きたくない。川北監督がいる限りゴジラ映画に未来はないと確信した映画。
すやすや

初見は東京国際映画祭、渋谷のオーチャードホールで見ました。もちろん監督の大森一樹以下出演者も挨拶に来てました。東京国際映画祭に行ってわざわざ見るくらいですから私も結構期待していたわけです。なにしろ相手はキングギドラだしね。しかも、クライマックスは都庁で対決っていうじゃないですか。そりゃー期待しないほうがおかしいでしょう。

が、しかし…。

私の中で出来上がっていた脳内映像はそこにはなかった…。 都庁で戦っているといっても、そこにあったのは”都庁のミニチュアセット”で戦うゴジラとメカギドラだった…。別にミニチュア&着ぐるみ方法論を否定している訳じゃない。ミニチュアの稚拙さをカバーするために”演出”というのが怪獣映画には必要なのだが、この映画には全くそれがない。

稚拙さをカバーする演出とはつまり、それは「人間視点で撮影することで臨場感を上げる」ということだ。新宿やその周辺の中野、代々木などを歩いてみれば分かるが、新宿副都心というのは撮り方でいろいろな表情が出せる構造物だ。この作品で1カットでも中野方面からみた遠景の合成ショットが入っていれば臨場感はずいぶんと変わると思う。

この映画にはそういう少し考えればわかるようなクリエイティビティの部分が全くない。私が川北監督の特撮が嫌いなのはそういう所だ。こんな奴に特撮撮らせていたら絶対ダメだと思った。 実際問題、彼が手がけた『ゴジラVSデストロイア』までの作品群を見れば分かるが、最後は必ずダラダラとしたジオラマ破壊大会に終始している…。

しかし、ダメだこりゃと諦めていたときに出たのが平成ガメラシリーズ。 あの東京タワーに巣くうギャオスの夕日のショットを見よ。

川北監督はあのショットを見てどう思ったのだろうか?

##スカパー!全放送で数十年ぶりに再見。大森一樹にSFセンスがないことがこの作品のこの程度に押しとどめてしまった原因か…。

(評価:★2)

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