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[コメント] 下町の太陽(1963/日)

好き嫌いで言うのもちょっとアレだ(などと今更言うのもナンだ)が、こういう、小さな違和感を見過ごさずに自分で考えて答えを探す人、というかそういう物語は好きだ。
G31

世界の美しさを自分で発見する人間って素晴らしいと思うんだけど、山田洋次はそういう人物をもある種の冷酷さで遇する。彼の主義信条を知る人間からすれば、これにイデオロギー的偏向を見てとるのだろうが、たぶんそうじゃなくて、ただ独自である、だけじゃ駄目なんだと言ってる(たぶん、ね)。もっと身近で確かな物事の上に、人間的真実はあるんだと。そういうことに自ら気づく、という女性を下町の太陽・倍賞千恵子に演らせたかったんだろう。それは私の範囲で言えば、イデオロギー的偏向なんてレベルじゃなくて、ちゃんと人間の真実に適ってるものだ。だからこの作品は傑作だと思う。

85/100(07/04/10記)

(評価:★4)

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