見た目がサイコパスという映画だったら、間違いなくキャリー・アン・モスが女王なのだが。

　冒頭のシーンは単なる交通事故というよりは悪質な犯罪に巻き込まれたように見えたし、生まれたはずの子供も写真らしきものが１回画面に映った程度でほったらかし（そのわりに主人公の青年は童貞的気弱さを持っていたりと、ご都合だらけ）。しかし中盤まで、これらが「何かが起こりそう」と映画へ釘付けにさせてくれたのも事実だ。誠意のない作品だが、誠意だけでは退屈することもあるので、よしとするか。

　トータルで言って、狙いのはっきりした手堅い作品である。

75／100（08/05/03記）