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[コメント] 花のあと(2010/日)

剣士として髪を下ろした北川景子が凛々しく、この素材でいろいろな映画が撮れるかもと妄想は膨らんだ。が、この映画には合わない。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 冒頭の北川景子登場シーンから、うわっ、日本髪の似合わねえ女だな、と思わせられるし、ここに座りましょとわざわざ選んで座った場所から見える(と思われる)「桜」(という光景)もまったく貧弱で美を感じない。全篇これ違和感というか、不可解だらけの世界だった。あまりにもそればっかりなので、自分の中でもその不可解の神髄を見極めるのが難しい(というか面倒くさい)ほどなんだが。

 ヒロインが剣を交え、ほのかに想いを寄せる武士、の名前すら忘れちゃったけど、彼が藩の使命を帯びて江戸に向かい、間違った作法を教えられたことから、辱めを受け、藩の面目をも潰したこととなり、切腹をする羽目になる。私の理解では、彼は、武士の身の施し方として、間違いを教えられた事実も含めて呑み込んで、自らの汚名をそそいだ。つまりこれは武士として一つの責任の取り方なのだと思うわけだ。こんなことで切腹してられっか、と思うならちゃんとそう主張すればいいわけだし。そこに恨みとか辛みとかは残らないと思うわけだよ。切腹を認められず処刑されちゃった、てんなら、なんとなく恨みを残して死にそうだというのはわかるのだが。だから、ヒロインが彼に代って果たそうとする復讐譚の部分が、そもそもまったく余計なことをしてるようにしか思えないわけ。話の展開も無理やりだったけど。

 ヒロインの許婚の侍が、調べるうちに「わざと間違った作法を教えた」背景に突き当たるという展開も、そうならそれで、然るべき手段や手続きを経て責任者が処罰されるべきで、変に「対決」みたいなシーンで処理されてしまうのはあまりにも不自然だと思ったし。まあ、映画としは後者の方が映えるという一般的な事情はわかるが。しかし、それをするにも、敵方も挑戦にちゃんと応じてくれるみたいな、お互い相通ずる気質がないと成立しないという、ますます無理無理な部分が生じてしまうわけだしね。

 てなところかな。60/100

(評価:★2)

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