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[コメント] トイ・ストーリー3(2010/米)

こんなに玩具を愛したことない。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 趣味・嗜好から言うとこの手の映画を見たことは人に黙っておきたい方なんだけど、やっぱ上手くできてるよね、脚本が。トイ・ストーリー3見たよって人に言いたくなるもん、面白かったよ、絶対オススメだよって。1作目を見て感動し、2作目もそれなりに感度したけど、いずれもずいぶん前のこと。冒頭から物忘れがちな観客を物語世界に連れ込むのが上手いんだ。<人が見てないところでは動き、話す>という、これまでオモチャについて語られてきたファンタジー一般に、ほんの少し肉付けしただけのフィクショナル・ワールド、それがトイ・ストーリーの世界。<持ち主>(と、吹き替え盤では和訳されていたが、原語では何かしら?←単に“owner”と思われ)がすっかり成長し、もう何年も遊んでもらってないオモチャたちがとった作戦は、アンディ(=持ち主)に自分たちの存在を気付かせること。ビジネス用語でいう、いわゆる<見える化>(この場合は見せる化?)。なんて謙虚で控えめな奴らなんだろう。だいたい日本人は武士道とか任侠道とか<道>を見つけるのが大好きなんだけど、俺に言わせりゃこんなに<オモチャ道>をまっとうした奴ら(オモチャたち)は他にいないよ。この作品はオモチャ道の『葉隠』だ。

 そしてラスト。俺はこんなにオモチャに恵まれてなかったし、こんなにオモチャを愛したこともなかったけど、オモチャを使って自分の世界に浸って遊ぶボニーを見たときアンディの感じたことが手に取るようにわかったよ。(ああ、この子なら、僕の大切にしてきたオモチャを僕と同じく“宝物”(←ここも原語を確認したいところだね)として扱ってくれるかもしれない)って思ったに違いないんだ。これが映画だ。

 次は2D・字幕版を見に行きます。

85/100(10/07/12見)

※そうねえ、サニーサイド保育園のオモチャたちが博打にうつつを抜かしてたり、ハグベア・ロッツォ(保育園のオモチャたちの支配者)をどうしようもない悪党(となってしまった事情はわかるのだが)として描かなければ成立しない物語になっているあたりが、マイナス点といえばマイナス点かな。

(評価:★4)

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