結局、“おおかみこども”の話ではなく、彼らを産み、育て、見守った、母親の話だよね。あんま雨風の激しいときに、表を歩き回るのはよろしくないんじゃないか、てなところが引っ掛かるわけ。アニメのような（アニメだが）、人から獣へパッと瞬時に切り替わる、みたいな描写には、慎重であって欲しかった。彼女の人となりというか、彼女が何に悲しみ、何に喜ぶのかが分からないと、彼女の思いは伝わってこない。まあ、いわゆる母親という存在が、ごくごく普通に抱く感情を描いたのではあろうが。

（13/04/05記）