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[コメント] ジャンゴ 繋がれざる者(2012/米)

“こんなことするくらいなら、奴隷のままでよかった”という一声が欲しい。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ひたすら殺しまくる主人公。無益な殺生はしないというようなキャラクターでもあれば、まだ共感しうるのかもしれない。だがこのキャラクターは、むしろ無駄な“生き残らせ”はしないという感じ。

話もイマイチ。身分を偽って敵陣に潜り込む。それを言葉の遣り取りで、相手の懐を衝き、本性を暴こうとする攻める側と、そこを察知し、きわどく交わす守る側。攻めと守りが反転する会話劇の緊迫感は、タランティーノ得意の分野のはずだが、どうにもキメが粗い。下ごしらえというか、そこへ至るまでの蓄積エネルギーも不十分だったと思うが、本来はディカプリオが会話の中から相手の素性を見抜き、同時に見抜かれたことを察知した“こちら側”が、瞬時に電撃的に反撃する、でなければいけない のに、「悪りぃ。我慢できなくって撃っちゃった」では、どっちらけだ。

物語上、敵役を二人置いたのも、憎悪の対象が分散され、映画の効果が薄れたと思う。ディカプリオも健闘していたと思うが、どうも善人のイメージが抜けないのは、役者そもそもの属性もあると思うが、サミュエルの存在が阻害していたからだろう。

とまあ、いいところのあまりない映画だった。

65/100(13/03/20記)

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)緑雨[*] worianne[*]

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