[コメント] 舟を編む(2013/日)
辞書を編纂するような丁寧さで撮られた映画。それで映画が見られるのなら、辞書を“読ん”でみても面白いかも、と思わされた。
題材は地味だし、話の起伏もたいしてない。だが「こういう話を語りたい」ではなく、映画で語れることが何かを踏まえた上で、それらで語れることから語っているという印象。
それが映画の基本だと言えばその通りなのだが、基本だけでそれなりに見進められるものなのだなと。
生まれて初めてそういうことを知った、というわけでもないけれど。
宮崎あおいという女優さん、どこかでも書いたが、もちろん実際にお目にかかれば可愛い人なのだろうが、スクリーンで観ると不細工だと思ってきたが、今回その不細工さがはまって初めて美人に見えた。
加藤剛が、新しい言葉への興味は保ちつつも自分の紡ぎ出す言葉や言葉遣いの正確さはぶれない、という芝居を見事にこなしていて、芯の強さと言葉への謙虚さを併せ持つ学者像をうまく体現していた。物語内でもそうだが、これが遺作になるんじゃないかというぐらいの神々しさだった(縁起でもないが)。
75/100(13/07/14見)
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