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[コメント] ワイルド・スピード EURO MISSION(2013/米)

カーアクションがスケールアップしただけでなく、いつの間にか肉弾格闘戦まで本格派。ガンアクションもこなすし、この人たち、車の運転が上手なだけじゃないのね。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 こういう本気のアクション映画はマジで楽しい。車好きや格闘技好き、カーマニアであればよりもっと楽しめるだろう。

 本シリーズの元々の題はfast and furiousだが、本作の冒頭で掲示されるタイトルは「furious 6」。シリーズ6番目の作品であることと、このうちfuriousにより焦点のあてられていることが明示される。辞書的に言えばfastは「速い」、furiousは「立腹した」で、要は怒りの感情に重点が置かれていると言えようか。

 レティ(ミシェル・ロドリゲス)への喪失感や、そのレティが生きていて、敵に回さなければいけないことへの理不尽さ。こうしたものに対する、言い表しようのない、抑制された負の感情が、本作の基調にある。そして、ショウ(ルーク・エヴァンズ)一味が、ブライアン(ポール・ウォーカー)の妻子を人質に取るという卑劣な行為に出たとき、この怒りは頂点に達する。そんな構成になっていたように思う。

 同時に、本作では、1人を取り戻しても、また別の仲間が失われる。負の連鎖が織り込まれているのだ。以後、本シリーズは、常に悲しみのトーンをまとうことになる。むろん、次作でポール・ウォーカーを襲った悲劇によるせいもあるだろうが。いずれにしても、悲しみという要素もまた、物語を持続させる原動力の一つなのだと思う。それが、物語の肥大化したスケールを支えている。皮肉なバランスと言うほかない。

 エンドクレジットに、「本作は、閉鎖された道路上で、プロのドライバーによって運転された車により撮影されている云々」とあった。格闘場面なんかについても「俳優はワイヤで吊るされ、壁や床にはクッション材が詰められ、プロの格闘家の指導の下に撮影されている」とか、要らないのかしら。

85/100(19/7/15記)

(評価:★4)

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