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[コメント] 女が階段を上る時(1960/日)

キスより深いため息。
G31

“一日一日若さが無くなっていくような気がするわ”

現在こういうお店に通っている方、将来こういうお店に通ってみたいなーと思っている方にとっては、裏事情がわかって大変勉強になるんじゃなかろうか。それとも皆さん、わかってて通ってるのかな。

逆に「銀座のバー」にあまり関心のない人にとっては、たいした出来事の起きない、どこにでもある平凡な日常を切り取った物語、と思われてしまうかも。私にとっては成瀬の初見ですが、時代や環境が変わっても変わらない“男と女の間の事情”を描けるところが成瀬の上手さだ。大活劇を撮る黒澤タイプではなく、小津タイプの静かな作品を撮る監督。小津より小粒な感じがするのは否めないが、小津以上に洗練された洒脱さがある。黒澤や小津ほど大受けはしないかもしれないが、その時代の映画界にとっては、成瀬のような人がこのクラスの名作を連発することも必要なんだよね。強いて言えば、恋愛の甘い部分を中心に据えた作品も撮ってほしい。まあ、それは成瀬の仕事ではなかったのかな。

「階段」というのは建物の2階にあることが多いバーへ上がるための階段のことですが、もちろん寓意もある、かな。俺も階段を上がらなきゃ。

80/100 (01/01/28記)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)Yasu[*]

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