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[コメント] 美女と野獣(2014/仏=独)

野獣の誕生経緯が丁寧に描き込まれており、なかなか感動的な話も秘められている。だがそっちの方が「美女と野獣」の本筋話より良くてどうすんだと思う。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







※※※※※注意!いきなりネタバレ※※※※※

 仕留められた鹿が王妃に変わったシーン。目にした瞬間は、女鹿を得た代償に、王妃を失ったという描写かと思った。王妃はあくまで王宮に居て、と。身代わり地蔵みたいな感じで(まあ、身代わりではないけど、どちらも死ぬとすると)。

 だから、カメラが引いて、王妃の半身が映ると、裸だったのには思わず意味不明!と笑ってしまった。うまいこと乳首を隠してるし。

 だが徐々に、いや待てよと。これは黄金の女鹿=(イコール)実は王妃だったという描写かと、気づいたときには目に涙がにじんでいた。

 このときの映像は、鹿の左眼に思い切り寄って、今度は徐々に引くと、鹿が王妃に切り替わっているというもの。特別な技巧が駆使されていたり、工夫が凝らされているということはない、何の変哲もない表現(眼の切り換わる瞬間も分かる)。

 したがってこの涙は、物語の力の成せる業と、言い切ることができるのではないか。

 もっともこのときの映像の力としては、イボンヌ・カッターフェルト(=王妃)の裸が非常に綺麗でしたが。

 これ以降、これに匹敵する感動は、残念ながらなし。

野獣「もうしばらく辛抱して、俺の顔に慣れたら、俺を愛してくれ」

美女「もう愛しているわ」

ここのシーンの処理、もうちと何とかならなかったか。これは演出力(の不足)の問題だ。だってベルが時限に間に合うよう帰ってきた時点で、彼女が野獣を死なせたくなかったってことは、野獣自身にも、もちろん観客にも、分かっていることなんだから。

75/100(14/12/28見)

(評価:★3)

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