[コメント] シンプル・シモン(2010/スウェーデン)
イェニファーのオープンで飾りのない心根が、主人公自身の心の壁を取り払ってやることができたということかな。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
アスペルガーがどういう病状なのかを正しく知らないので、この映画に描かれる主人公の行動がどこまでリアルなのかわからない。
でもイェニファーが彼の耳にイヤホンを着け、彼女の好きなポピュラー音楽を彼に聴かせてやったとき、今までとはまったく別の視点で世界を見つめ直すという彼の感じた感動を、僕も彼と同時に味わったように思った。
これを「アスペルガーの方が見た世界を僕も擬似的に体験した」とは言えない理由は冒頭に書いたとおり。
だが重要なのは、視点の主がアスペルガーという病状を持っているかどうかではなく、ほかでもない僕とは別の他人の視点であるということ。他人の視点で世界を見てみるという、とても大切な体験をさせてもらったということになる。
そしてこれはもちろん、映画が提供できる根源的な体験の一つだ。
僕としては、この体験だけで、本作を観る意義があったと思うわけだが、もう少し言うなら、イェニファーのオープンで飾りのない心根が、主人公自身の心の壁を取り払ってやることができたということかな。
いつの世でも、男にとって、女性は偉大である。
80/100(15/04/05見)
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