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[コメント] デトロイト(2017/米)

途中まで新手のホラー映画かと思って見た。少なくともこのハラハラ・ドキドキ感は映画が劇場の暗闇で提供できる貴重な体験の一つか。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 面白くないと言うのはその通りな気もします。見終えて、要するに“で、何が言いたいの?”的感覚でした。

 予備知識ほぼゼロで観た本作ですが、ドラマティックスなんてソウル歌手グループも寡聞にして知りませんでした(※)し、最後の方まで実話ベースだとは思わず見てました。実話ベースの話なら観てれば分かる的な(誤った)先入観もある訳ですが、その意味では、実話であることに依存した構成の甘さ、みたいなものはなかったように思います。正直、途中まで新手のホラー映画かと思って見てました。

 (※このあたり、史実をやや変えてるみたいです。実在のドラマティックスは、“デトロイト出身のグループでありながら”モータウンに属したことはないようです)

 ただ少なくとも、そういう“この次、どう展開するのだろう?”的ハラハラ・ドキドキ感は(最後近くまで)常にあったと思います。僕なんぞは、これも映画が劇場の暗闇で提供できる貴重な体験の一つだとしています。ゆえに、この“手に汗握った”感は映画として最大限に好評価しなければと思い、好評価しちゃいます。

 “白人警官がその権力を軽く振りかざして黒人等マイノリティの日常に唐突に及ぼしうる恐怖・不快感”の描写を映画で初めて意識的に見ることができたのは、ポール・ハギス監督の『クラッシュ』におけるマット・ディロン演じる白人警官のシーンでした。これ以前もこれ以後も、あるいはテレビ映像などでも、こうしたシーンは断片的には見重ねてきた気がします。

 したがって、本作の基台となるシーケンスには既視感があると言うか、初出感はないのですけど、こういうエピソードを史実を踏まえて丁寧に再構築することには映画史的意義はあんのかもしれないと思い至りました。その丁寧さは確実にあったと言えましょう。物事には、50年を経て初めて描けることがあるのかもしれません。

 例えば本作が、10年前はともかく仮に20年前に作られていたなら、絵作りの技巧も未熟だったりなんかして、本当にただの「つまんねえ映画だな」で片付けられていたのではないか。

 ま、楽しい映画でないことに変わりはないですけどね。

80/100(18/04/15見)

(評価:★4)

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