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[コメント] ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2022/米)

スパイ映画「ミッション・インポッシブル」でも観るかのような小ローマ旧市街でのバイクとの追っかけっこ。こういうの見たくなかったとまでは言わぬが、どうしても見たかったかと問われると・・・。
G31

 マイケル・クライトンの原作にあった魅力の一つは、当世の人類の科学技術を総動員しても出来るはずのない「恐竜動物園」を、クライトンの博覧知識と筆力で補って、眼前に(←読者の脳内の、だが)出現させてしまうその剛腕さだったと思う。その意味で、「CG」という最新の映像技術を駆使して「恐竜」をスクリーンに出現してみせた本シリーズ全体の1作目、『ジュラシック・パーク』は、まさにクライトン原作の魅力を映画的に体現した作品だったと言える(目をつむるとこが多少あったにしても)。

 一方で、クライトンの小説に共通するテーマに、人類の科学技術やその能力に対する過信への戒め、というものがあり、人間たちはその驕慢へのしっぺ返しを自然界や自然の摂理みたいなものから喰らうことになる。運営者のコントロールし得ないところでそんな「摂理」が発動し、頑強に見えた物語上の「楽園」が脆くも崩れ落ちていくというその様が、原作や1作目のもう一つの魅力だった。僕は、第2シリーズの1作目、『ジュラシック・ワールド』にもその魅力があったと思い、たいがい評価している。本作(新たなる支配者)は、物語が右に左に展開する起点となる「物語の交差点」こそ数多かったものの、そういう物語の本質的な魅力は欠いていた。

 あと、せっかくCGや特撮で鳴らした当シリーズなんだから、人間の顔にも少しアップに耐えるよう手を入れてあげたらいいのにとか。主にローラ・ダーン姉さんのことですが。

75/100(22/8/6見)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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