コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 大脱獄(1975/日)

同郷と判った男と女が、方言になる場面なんて良かった。生活感がある。断片は描けても、一篇を仕上げられない人なのかな、石井輝男って。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 さんは実際に(博多ではないが)福岡県出身。木の実ナナさんは東京の向島出身だそうだが、さすが俳優さん、上手いもんです九州弁。ただ、二人の間に「鍵は外してあるのよ」「鍵は大事にしろ」「鍵は大事にしている」てな言葉が交わされ、意味がわかりませんでした。貞操帯のことなのかな。若松孝二の映画で見たことしかないです。

 お袋殺しの尊属殺人犯・文太さんの役どころも確かに意味不明でした。映画としては、まったく描くつもりのない、思わせ振りすらない「銀行強盗した時の金」を理由に健さんになついてくるという。まあ、映画としては、で言うのなら「そんなことはどうでもええやんけ」が答えな訳ですが。(後に続いた台詞は、「金づるを死なす訳にいかんのや。手伝うで」でした)

 このエピソードならもう少しいろいろな要素が汲み取れそうなのに。そう思わせながら話は次々に展開する。その分テンポはいい。東宝時代は成瀬に師事し、『おかあさん』みたいな作品を撮りたいと終生夢見た(という)石井の本領?が垣間見られる作品か。

75/100(22/3/9BS放映)

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。