[コメント] 男はつらいよ 旅と女と寅次郎(1983/日)
都はるみはいつもなぜか右斜め上を見ながら歌を歌う。今回、その視線の先にあるものは、朝日印刷(タコ社長の会社)の看板だったと思う。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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都が佐渡島で佐渡おけさ(なのかな?)を唄っていて、地元のホンモノの漁業者の方々と掛け合いになる箇所なんて良かった。歌手という職業を離れ、歌うことが好きだという純粋な気持ちから歌っている(という情景を仕事で演じている訳だが)。そんな風情のよく表れた、楽しく、それでいて芯にホロリとさせられるもののあるシーン。
しかし、それを言っちゃあおしめえなのだが、都にマドンナと言うほどの華がない。浴衣姿の京はるみ(都)に寅が思わずハッとするというあからさまなシーンがあったが、正直、えー、これに惚れちゃうの、という感じだった。人気歌手の名前に惚れたわけじゃないという重要な場面ではあったのだが。にもかかわらず翌日、京を優しくエスコートできたのは、寅にしては上出来だった。
都の歌はもちろん上手い。だが、島での寅の恩に報いるため、とらやに歌いに寄るなんてシーケンスは、ややクドいような。映画という興業としての事情みたいなものが諸々あるのだろうが、本作の軸は「都はるみ」ほぼ一本。そこが話として弱いところじゃなかろうか。合間に挟まる芸能事務所一行のドタバタなんて、お定まりのものに過ぎないのに、やっぱ楽しいもの。
◇ ◇ ◇
葛飾あたりの小学校じゃこの頃すでに運動会は春の行事だったんすな。
75/100(19/5/25見)
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