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[コメント] 男はつらいよ 知床慕情(1987/日)

タコ社長(太宰久雄)の出番が極端に少ない。いつもあるものがないと、不安になる。当たり前って、こういうことか。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 冒頭の「夢」がない。久々か。桜並木が、多分、秋田の角館(仙北市)。往時の江戸川土手に似てたとかか。話に絡まないのが寂しい。

 タコ社長の出番は今回、一度だけ。しかもいつもは居合わせる面々と絡みがあるのに、本作は娘のあけみ(美保純)とのみ。太宰の体調でも悪いのかと心配になった。朝日印刷は相変わらず経営不振。博(前田吟)も当事者なんだから、も少しつらそうでもいい。当時の好景気は、話には反映されてない。

 竹下景子が前回マドンナだったとき、寅は、彼女の気持ちを先読みし、告白させないよう配慮した。今回は、りん子(竹下)からの告白の気配に気づいても、言われるのをただ待つだけのボンクラぶり。このあたり、作品による寅の性格設定のブレは、毎度のことではある。りん子も自分からは言えず(父親似?)、本作で唯一の寅の恋愛場面だが、例によって急速にしぼんじまう。

 三船敏郎の「俺が惚れてるからだ。悪いか」告白シーンはやはり爽快。よく言った!エラい!頑張った!感がある。ここが話のクライマックスになっていて、作品としても収まりがよい。しかし、北海道の人は、バーベキューのこともジンギスカンと言うと思う。いいけど。

 地元の人たちからあんなに乞われても、りん子は東京に出てきてしまう。東京のどこが魅力なのか。東京の魅力とは何なのか。この時代はこれが普通なのか。今でもそうか。日本最速人口減少県の人なんか、東京は遊びに行くにはいいが、人の住むところじゃないって言ってた。日本で一番人の住んでるとこだけどな、東京が。

 誰も言及ないが、淡路恵子って本作が20年振りの映画出演ぽい。この間、何してたのかしら。

80/100(19/7/13見)

※三船敏郎67。渥美清59。淡路恵子54。倍賞千恵子46。竹下景子33。吉岡秀隆17。笠智衆83。

(評価:★4)

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