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[コメント] 男はつらいよ 寅次郎の休日(1990/日)

寅の、仕事に拠らない旅の過程が描かれる、珍しい作品。話はもはや、満男と泉の恋の行く方が中軸。男がつらいとかの物語ではなくなってしまっている。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 寅の恋愛→失恋譚は、ほぼ休眠状態。マドンナの夏木マリとは、前作での檀ふみとよりは関わりがあり、渥美清の登場場面は多いが、特に惚れたりフラれたりという関係にない。ただこの関わりの中に、寅のキャラクターが表れて、時おりハラッとしたり、ドキッとしたり、ホロッとしたり、させられる。まあ、言ってしまえばその程度である。イラッと、がないだけましかというレベル。

 代わりに描かれるのは、前作に続き、満男(吉岡秀隆)と、満男のマドンナ、泉(後藤久美子)との関係性。だがこちらも、諸々の出来事を経て、二人の仲は確実に深まって見えながら、具体的な進展はない。まあ、泉ちゃんはまだ高校生だし、満男にしたって二十歳そこそこだから、それで不自然とかいうことではない。卵がかえるのを待つ親鳥のような気持ちになって、あたたか〜くおだやか〜に見守ってやりたい。そんな心境にさせられる。

 とまあ、映画としては、可もなく不可もなくというか、学校の成績表で言えば、不可もない代わりに優や良も乏しい、可ばっかりの作品という印象。

   ★  ★  ★

<備忘メモ>

 前作でも気になったが、泉の母(夏木)は佐賀出身(妹=檀が「佐賀を出たことない」と言ってた)。娘が高2になるまで、東京で育ててた。夫と別居後、クラブのママみたいな仕事をしている拠点が名古屋である理由は何なんだ?

 満男が泉に手を出す訳ない。博の息子だから。でも、寅の甥でもあるって? なに言ってんだ、寅の方がもっと安心だよ。近頃、博のキャラがブレてるというか、ピントがズレてきてる?

 満男は、寅が幸せかどうか心配する前に、お前はちゃんと勉強しろ!とか、小言を言いたくなるタイプ。講義は上の空の様子だったが、起きて聞いてるフリしてるだけでエラい(僕は寝てた)。大学の近くに部屋を借りるって、「行きがい」はあるんだ。家賃も自己負担とは、随分割りのいいバイトしてんのか。勉強はしてなさそうだが、八王子くんだりの大学周辺で、あいつは普段いったい何やってんだ?

75/100(19/8/11見)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] ぽんしゅう[*]

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