[コメント] 十三人の刺客(1963/日)
アラ寛なに言ってるか分からん。千恵蔵爺臭い。西村晃飛び跳ねすぎ。里見見せ場なし。新伍はそもそも必要ない。純子…も出てました。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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スタッフの力量が素晴らしく、極端に言うと畳の一枚一枚までが活き活きと江戸時代を表現している。ロケ地の風景も見渡す限り手付かずの自然という感じで、白黒画面ながら実に美しい。技術の継承がなされなかった日本映画界では、もはやこんなふうに江戸時代を再現することは不可能だろう。
だが良くも悪くも組織の映画で、ヒーローがいない。主軸となるべき島田新左(千恵蔵)と鬼頭半兵衛(内田良平)の間の争いが、観念的過ぎて馬鹿馬鹿しい。見得を切るならリアリズムは捨てるべきだし、リアリズムを採るなら見得は切らせないでほしい。中途半端、というよりリアリズムの陥穽に落ち入ったという感じがする。最後の合戦場面が象徴的で、絵的に雑然として凄みに欠けるため、作戦上の合理性はともかく、映像として説得力がない。
ラストシーンも、緊張からの解放により生を実感したことからくる笑い、を表現していたのではあろうが、いかにもとってつけた感じで陳腐だ。こんなところからも、お利巧さんが頭で考え出して作った、という感じが否めないのである。
重箱の隅をつつくようだが、50人以上の侍がそれぞれ馬に乗ってやって来て閉じ込められたというのに、あの馬たちはどこに行ってしまったのだろう。立ちこめる霧の彼方から、蹄の音をリズミカルに轟かせて迫り来る馬上の侍たち、というシーンにおおいに魅了されたので、この点だけは指摘しておく。
65/100(02/12/28見)
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