いまロシアがウクライナを相手にやっていることを見れば、この映画でのロシアの非道ぶりはさもありなんである。急に酷い国になったわけではないのだ、当たり前だけど。そこら辺の基礎的な事実認識はしっかりした作品だったんですな、意外にも。

　ランボーはガンパウダーを何に使うのかと思ったら、体の内側の傷に焼きゴテを当てるようにして止血するためだったんですな（焼灼止血法）。もちろんスタローンが同じ痛みを感じているわけではない訳ですが、この手の「ワッ、見ちゃいられねー」痛みのシーンが在ることによって、他の同じくご都合主義な描写たちが受容可能に転化したのだと思います（なんとなく）。

　でも、あのアレクサンドロス王の大遠征をも耐え抜いたという誇り高きアフガンの民。羊の死骸を取り合う3000年前から続くスポーツを暇さえあればたしなむアフガンの民。どう考えてもランボーを泊めたがゆえにロシア軍による虐殺の憂き目にあったのに、そのランボーと大佐を救うがためロシア軍に挑むアフガンの騎馬隊。あの勇猛果敢なアフガンの民はどこへ行ってしまったのだろう（注。姑息で抑圧的な権威主義者たち＝タリバンとは絶対違う人たちの意味）。

22/11/21TV放映