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[コメント] 素晴らしき哉、人生!(1946/米)

鈴木宗男議員をはじめ、世の中の悪役・敵役を演じる人たちは、この映画を観て「素晴らしき哉、人生!」と言うのだろうか?誰かの役に立てれば、人生は有意義なのだろうか?いや、誰かの役に立てなければ、人生は無意味なのだろうか?
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







いや、根性ひん曲がってる、性根腐ってるオイラが悪いんです、ごめんなさい。

でも、映画としてよりも、お話として、とても苦手です。勧善懲悪的な世界が苦手というよりも、「わたしの善行のおかげで、あの人は災難から逃れた。だから、わたしの存在は有意義だ。素晴らしき哉、人生!」ってな思考回路が、苦手なんです。(「オレはひとりじゃないんだ!」というのは好きですが。)

人生って、つくづく「無意味」だと思います。つくづく「絶望」の連続だと思います。自分の存在が及ぼすすべての影響ってのは、ロクでもないことばかりだと思います。

でも、それでもいいんだ、誰かの役になんか立たなくてもいいんだ、「生きている」ってことだけで素晴らしいことなんだ、って気づかせてくれる映画が、僕は好きなんです。

そういう意味で、「"ソレデモ"生きていこう」と思ってしまうような映画、たとえば、『カビリアの夜』『』『野いちご』『トリュフォーの思春期』『桜桃の味』『八月のクリスマス』『シルビーの帰郷』『ココニイルコト』『EUREKA』『息子の部屋』・・・そしてモチロン『マグノリアの花たち』。僕は、こういう映画たちに「素晴らしき哉、人生!」とつぶやいて、泣いてしまいます。ひとしきり泣いて、今ここにいる喜びを噛み締めます。

この映画を観て、そうだな、つぶやくとしたら、「素晴らしいね、アンタの人生!」というところでしょうか。いや、もし主人公がとんでもなく極悪非道な奴で、その罪の重さで自殺しようとしているところへ、天使が現れ、「確かに、おみゃーさんはとんでもない極悪人だ。そのまま死ねば、間違いなく地獄直行だべ。でもな、そんな極悪非道なおみゃーさんが死ねば、こんな悲しいことが起こるんだぞえ。」な極端な話だったら好きかもなあ。

ごめんなさい、ヒネクレ者で天邪鬼で。こんなオイラでも、生きていてもいいですか?

[video/date unknown/3]■[review:3.11.02up]

追記:世の中で悪役・敵役とされ、集中攻撃を浴びている人たちだって、たまたまそういう「ロクでもない」面にスポットライトを浴びせられているだけなのではないでしょうか。たとえば、田中眞紀子議員だって、成り行き次第では、悪役・敵役に仕立て上げられる可能性は十二分にあったんですから。

(評価:★3)

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