[コメント] インデペンデンス・デイ(1996/米)
誰にだって絶対譲れない一線がある。―少なくとも、アメリカに居住したことのある人、中でも「アメリカ」と曲がりなりにも対峙したことのあるマイノリティーにとっては、素直に楽しめる映画ではないはず。
そこまで言われちゃ、言わせてもらうが、こんなのを楽しむためにアメリカ人にならにゃならんなら、宇宙人に身売りして焼き殺されるか、地球を爆破したほうがマシ…と暴言まで吐きたくなる忌々しさ。
娯楽作として、コメディーとしてなら★3以上かもしれんが、誰に何と言われ様と絶対譲れないものがあるのは、これ俺の信条。それは、架空のドラマとしてのベトナム戦争という与太を飛ばす『ディア・ハンター』が許されざる作品であると同義。イノセントな知的障害者というダイアモンド級の盾で防ぎつつ、歴史まで修正して、軽薄な感傷をもって人生賛歌を偽る『フォレスト・ガンプ』と同義。まあ、ある意味、『ライフ・イズ・ビューティフル』より無邪気で剛速球オバカな分、目をつぶってもいいけれど。
って俺が言う義理じゃないか。冷静になろっと。
余談になるが、そんなこんなで、本作と同じ臭気を放つ『パール・ハーバー』、扱き下ろすストレス発散があるかもしれんが、そんな虚しさと引き換えにも、自分の臭覚を信じて見るつもりはない。映画を見てまで、こんなに表現し難い不愉快で悲しい気持ちになるのはこりごりだから。
とりあえず、見てしまったものは仕方がない。いろんな抗議の意味をこめて★1つ。
追記:
楽しめないお前が悪いと言われればそれまで。
ただし「理屈」こねてんじゃありませんよ、理屈を越えたところに、この気持ちはあるんです。
理屈を越えて楽しめると同じく、理屈を越えて楽しめない、ってのもあるんですよ。
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