[コメント] ソドムの市(1975/仏=伊)
すましがおのニンゲンども そこのけ そこのけ パゾリーニがとおる
まさに『鬼畜大宴会』。
この作品に対して、眉をひそめたり、例えば、劇場で数人が途中で席を立ったように、プロテストするのは当然であり、簡単である。だが……
認めてはいけないが、同時に、認めなくてはならないのは、この作品世界こそ、人間誰しも心に忍ばせている世界、ダークサイドであるということ。「変態地獄」「糞尿地獄」「血の地獄」、それぞれ実は、人間誰しも思い描く<ネガティヴ・ファンタジー>であるということ。
否定するのは、簡単だ。だが、考えてみてほしい。現代にも、幼児が誘拐され、レイプされ、惨殺されるアングラビデオが、地位と名誉を持つ人間の享楽のために流通している現実を。彼らは「権力」を持ったがために、そのような快楽を覚えたのか?否、それが人間の偽らざる本質の一部だからだ。
「エロス」をはじめフロイトの用語も、この際必要ない。「異常」や「狂気」という概念もまた、普遍ではないのか。
あなたが、今見たくないと言うのなら目を瞑ればいい。でも、心の目をも瞑ることはできるのだろうか?
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