[コメント] GO(2001/日)
「だっせぇぇぇーーーっ!」…確かに…
「はずかしぃぃぃーーーっ!」…ごもっとも…
「なってないよね」…わかってはるやん…
オイラのお気に入りコメンテーター各氏絶賛の嵐の中、断固、不支持なのであります。コメントの意味はひとまず置いといてと。
まず。冒頭の「カッコいいつもりの単語羅列独白」や、後に続く「ナンチャッテ高校生、山本太郎君率いる地下鉄シークエンス」、あと「ストップ&フラッシュバック」諸々、まんま『トレインスポッティング』。ムロン、オリジナルを越えてれば、イチャモンはつけない。まあ、越えてなくても、可愛いオマージュ(?)として見逃しましょう。
気を取り直して、物語に進みました。ハイ、なんでしょう、この違和感。いないはずの竹中直人がこの世界に紛れ込んでいるのでは?いや、きっと誰かの着ぐるみとなって入り込んでるに違いない!…そんなワケないので、どいつもこいつもやりすぎというか、調子に乗りすぎというか、狙いすぎ。
オイラの中では山崎努と高倉健は同類。だって毎度似たような役しかしねえもん。この役まんま『タンポポ』でしょ?それから、大竹しのぶにもがっかりです。いつか山崎努の手足をちょん切っちゃうんじゃないかと、ハラハラしました。だって、あの目のイキ具合、同じ。
ただ、唯一というか唯二というか、正一役の細山田隆人と警官の萩原聖人だけはグーでした。二人がそれぞれ主人公と絡むシーンだけは、この映画世界が澄みきるというか、ピシっと締まって、いいアクセントになったんじゃないかと思います。だって、どっちかというと、「ジョンイル君に関する物語」の方が見たかったくらいやもん。
ただねえ、ジョンイル君のあの問題のシーン…。安直すぎる。あまりにも安易すぎる。それだけじゃなく、狡猾だ。あれをされては何も言えなくなってしまう……
だから、だ…
「恋愛映画」だと、ふざけんじゃねえぞ!思いっきり、逃げとるやんけ!
失敬。
でもさあ、物語世界の中だけじゃなく、メタ的にまで作家が逃げてどうするよ。いろいろ書いたけど、確かに技巧的には素晴らしいと思う(オイラ向きではないが)。だけど、物語も、内在する問題も、それに対する姿勢も、映像も、演技も、全部、技巧のための技巧オチ。それはまるで、「民族学校創設以来のバカ」という意で「クルパー」なんてあだ名をつけられつつ、「能ある鷹は爪隠す」的に世の中わかったような口をほざく主人公の描き方のあざとさ、そのまんま。クルパーと呼ばれるなら、もっとクルパーらしくしろ!…失敬。
さて、混乱をきたしてきたようなので、落ち着いて、reviewタイトルの「Mr.Children」に戻りましょう。
この作品を見ようと映画館へと車を走らせている時、FMからMr.Childrenがゲスト出演している番組が流れたのです。偶然、彼らの新曲『youthful days』の歌詞が、この映画『GO』の原作本に影響を受けて書いたというのであります。
♪生臭くて柔らかい温もりを抱きしめる時/くすぐったい様な乱暴に君の本能が応じてる時/苦しさにも似た感情に もう名前なんてなくていいんだよ/日常が押し殺してきた 剥き出しの自分を感じる♪(Mr.Children,『youthful days』)
…フーン。
映画見ながら思ったな。「いかにも桜井君が好きそうな話だよ」って。青臭いんだよなあ。「世の中への不満」「モラトリアム」「自分の存在の漠然とした不安」、いつまでやってんだよ。塩ズリしてない胡瓜みたい。
「それが青春だからいいじゃないか」って?そうなんだけどね、そうなんだけど、そうは思えない、イヤらしさというか、ズルさというか、キナクサい匂いが、この映画全体(と最近のMr.Children)に漂ってる。「甘い」とか「正しい」とか、そんなんじゃない。確信犯的なあざとさ。
言いたいことちゃんとあるのに、「そんなこたあ、どうでもいいんだ」なんて恰好つけておきながら、結局、言いたいことを、いけしゃあしゃあとホザきつつ、「でもさあ、問題はそれじゃないんだよなあ」なんて、一体…
じゃあ、なんなんだよ!恰好ばっかつけてるんじゃねーよ!逃げんなよな!戦うなら、正々堂々と戦え!
そう、ジョンイルみたいに。
〔★2.5〕
[11.7.01]
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