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[コメント] オテサーネク 妄想の子供(2000/日=英=チェコ)

とどのつまり、ヤン・シュヴァンクマイエル老師の「ベスト盤」、しかも二枚組。ウヘっ。
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熱狂的なシュヴァンクマイエラー、マイエリスト、マイエリアン、マイエル人にはタマランかもしれんが、普通のファンから言わせてもらうなら、もうそろそろ「次」が観たい。

大体、これくらいの話なら、今まで通り、30分かそこらの短編でキレよく作れたはずだし、長くてせいぜい一時間もあれば事足りる。「語り(たいこと)、物語性」が濃厚で長くならざるおえないのなら歓迎だが、本作は、ただ「語り(たい意識)、見せたい技法、技巧」が濃厚で長くなってしまった感があり、退屈とまでは言わないが、新鮮味に欠ける。まあ、好意的に見れば、シュヴァンクマイエル監督のサービス精神が旺盛なればこそ、なのかもしれない。

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注意!:以下、若干作品の内容に関するネタバレを含みます。更に、18歳未満の方には相応しくない表現があります。いや、まあ、そんなたいしたもんじゃないですが…

ネタバレ改行

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それにしても、あのオテサーネクの「口」はあまりにフロイト的。性欲と食欲のシンボルというか、権化というか。

こんなに直接的に書くとコメンテーターの方々から総スカンを受けそうだが、シュヴァンクマイエル監督は「フェラチオ」という行為にかなり執着があると、僕の直感が言う。

多くのコメンテーターの方々もご指摘の「不味そうな食事」であるが、僕には、食べ物が不味そうというよりも、この映画に限らずシュヴァンクマイエル監督作品の登場人物の食べ方が、どうも性行為的、つまりフェラチオに似ているからではないだろうか、と思う。つまり彼らが口に運ぶのは、食欲の対象ではなく、性欲の対象というか、なんというか…。(今は、直感レベルなので、ちょっとうまく説明できないな…)

いずれ、機会があれば、また続きを書いてみたいけど、大丈夫かなあ。

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「フェラチオ」と言っても、俗に言う男性性器だけでなく女性性器への口や舌を使った愛撫も含んだ上でのことばです。あのポスターにも使われてる目玉焼きベロリンチョなんて、まさにソノモノって感じですよねえ…。

ペッティングでも良かったのですが、どうもこっちの方が語感がぴったりな気がしたものですから。

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ところで、目玉焼きの黄味ジュル、『家族ゲーム』の伊丹十三を思い出しちゃいました。チェコと日本のちょっとした<普遍性>?

〔★3.5〕

[12.25.01]

(評価:★3)

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