[コメント] ビューティフル・マインド(2001/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
…あっ、ノーベル言語学賞ってなかったな。…ってか、オイラ、「天才」なのは「肌」だけだったな。う〜ん、それじゃあ、ただのヘンコだ。
うぬ…オイラに向けた銃口を下げてくださいな。
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注意:以下のreviewは、『シックス・センス』、『ファイト・クラブ』のネタバレ要素も含みます。
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なんて、ことはさておき、元来忘れっぽいオイラは、アカデミー賞授賞式で、作品賞候補紹介のとき、司会のウーピー・ゴールドバーグの隣に黒ずくめのいかにも諜報員がいたり、「幻覚を見る男の話」とかの説明を、す〜っかり忘れていて、映画での、『シックス・センス』あるいは『ファイト・クラブ』構造に、しっかりヤラれました。
オイラも、WaitDestiny様と同じく、なるべくこの映画について(というか、観るつもりの映画はほとんど全部)、予備知識を限りなくゼロにして観たので、素直に驚き、素直に泣き、素直に喜び、素直に堪能しました。
しかし、一日明けて、皆さんのコメントreviewを読んでビツクリ!そうかあ、かなり、フィクションなんですねえ。確かに、"based on a true story"なテロップはなかったし、クレジットにも「事実と異なる部分があります」って出てましたもんね。
でも、そういう意味では、見事な「"嘘"映画」、素晴らしいフィクション・虚構だったと、オイラは思います。
映画にしろ、小説にしろ、音楽にしろ、そして数字(数学)にしろ、すべての《ことば》は、自分以外の誰かに何かを伝えたいという気持ちから生まれる《詩》だと、オイラは思うのです。そこに書かれていることばが、事実と反していても、それは大きな問題ではなく(小さな問題ではありますが)、その「伝えたい気持ち」が《本物》ならば、語りかけられた人の心にまっすぐ届く《力》"は"あるのではないでしょうか。
この映画のタイトルが、なぜ、定冠詞の『"The" Beautiful Mind』ではなく、不定冠詞の『"A" Beautiful Mind』なのか、ずっと不思議に思ってました。それは、きっと、ジョン・ナッシュ、「"その"人間、偉人の美しい心」に関する映画というよりも、ナッシュの向こうにいる、あるいはナッシュという固有名詞を越えた「"ある"人間、普遍的な人間の美しい心」に関する映画なのだからだと思います。"a mind"は、ナッシュの心に限らず、彼の妻アリシアの心も包み込む、ことばなのだと。
劇中、ジェニファー・コネリー扮するアリシアが、ナッシュに語りかけます。「I want to believe something extraordinary is possible.(わたしは信じたいの、何か素晴らしい奇跡みたいなことが起こりうるんだ、って。[拙訳])」。("extraordinary"は「異常な;並外れた;驚くべき」という意味ですけど、超訳してみました。)
この『(ア・)ビューティフル・マインド』が伝えたかったことばは、"believe"だったのではないでしょうか。"trust"を越えた"beilive"。その中での葛藤。アリシアが、ナッシュの昔の同僚に、「時々、逃げ出したくなる」と吐露しますが、"ココ"がちゃんと描けていたところが、オイラは好きです。
何かを、誰かを、そして自分自身を、苦悶苦闘しながら、それでも信じていこうとする《力》。その《力》こそが、無限の《愛》なのだと、その《愛》こそが、すべてを支配する「永遠の真理」なのだと、その「《力》の法則」、《愛》という名の「永遠の真理」、その美しさ、その素晴らしさを、あますところなく、まっすぐに伝えてくれたと。オイラはそう感じました。たとえ、映画として「教科書的」であったとしても。たとえ、演出・演技が、「優等生的」であったとしても。
*追記1:
ただ、ジェームズ・ホーナーの涙腺刺激音楽は、個人的に好きになれません。ジョン・ウィリアムズの音楽にも感じるんですが、なんとなく彼らの音楽は、「時代遅れ」というか、すでに風化していて陳腐な感じがします。音楽にも、新しい才能を発掘してほしいもんです。
*追記2:
ラッセル・クロウは、今回は「指」の演技に気を配ったそうです。「腕」にも気を配ってほしかったな。
〔★4.25〕
[ワーナー・マイカル・シネマズ茨木/4.05.02]■[review:4.06.02up]
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