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[コメント] Z(1969/仏=アルジェリア)

今まで見た中で一番笑った映画でした。僕の評価では史上最高です。
sahara

フランス・ギリシャの主演級の俳優多数が「興行収入があれば出演料を払う」約束で出演したこの映画 (All-Movie Guideの情報参照のこと)は、 当初2週間の予定で封切られたが、観客の口コミで人気が高まり大ヒット・ロングランとなり、 アカデミー外国映画賞・編集賞(Francoise Bonnot)、カンヌ映画祭主演男優賞(ジャン・ルイ・トランティニャン)・ゴールデングローブ賞・英国アカデミー音楽賞(ミキス・テオドラキス)・ニューヨーク映画批評家協会監督賞(コスタ・ガブラス)など多数の映画賞も受賞した。ギリシャの故ランブラキス議員暗殺事件を題材にした、緻密な原作に基づいた政治サスペンス映画でありながら、原作にはない、 チャップリンの映画を上回る「笑い」を提供するこの映画は、 世界中で劇場を爆笑の渦に巻き込みながら、 現実の世界でもギリシャの軍事政権を倒すきっかけとなった。

この映画で、ジャン・ルイ・トランティニャンが演じる人物が現ギリシャ大統領になったことを見ても、その影響の大きさが分かる。 「軍事政権を笑いで倒した」史上初の映画といえるだろう。

ホルヘ・センブランを中心とした脚本は、何回見ても新しい発見がある奥行きの深いものでありながら、 始めてみた人をも感動させる。

ミキス・テオドラキスのテーマ音楽は、彼が軍事政権の弾圧で獄中にいたため、アイルランドの戯曲「人質」用にテオドラキスが作曲した、自由アイルランドを英国から独立させながらIRAの一グループに殺害されたマイケル・コリンズに捧げる歌が使われた。

コスタ・ガブラス 監督作品には単純な悪役は出てこないが、この映画でも悪役(Renato Salvatori、Marcel Bozzuffi)の人間性が光る。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ジョー・チップ[*] sawa:38[*] 死ぬまでシネマ[*]

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