[コメント] 男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく(1978/日)
ラスト,寅は畦道をずんずん歩く。脇目も振らずにずんずん進む。これが寅の生きる道。
同じように昔夢見た理想の生き方をしている。
同じように家族の元へ帰って,なけなしのお金を渡す。
同じようにうなぎが出てくる。
「惚れた,ハレたの年じゃねぇ」。
「もう年だしさ,かといって踊りも止めたくない」。
同じように重なってゆく齢というものが思いの中にある。
マドンナは逡巡の末にそれまでの生き方を捨てる道を選ぶ。
一方寅は「オレだったらそんなこたァさせねぇ」と言いつつ,引退興行を舞台からは決して見えない席から見届けていつものように旅に出る。
最後の歌のタイトルが「道」というベタな演出。
恋の成就を選べたマドンナと違い,恋路を歩むことさえ叶わぬ寅の生き方はその後も変わらない。
こうして威風堂々わが道をゆく寅さんを,僕らは毎回,タコ社長よろしく「楽しんでる顔」しながら心底応援し続けるのだ。
ん? 「反省」。
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