[コメント] ストレイト・ストーリー(1999/米=仏=英)
主人公の言葉をかみしめる。ここからやり直さねば個人もおそらくは国も前には進めまい。
実りの季節。色づく山々。迫りくる老いと病。
命尽きてしまう前に成すべきことをやり遂げる。
遮二無二老人なりの流儀で突き進む姿は,ただ頑固なだけではない。
人生の収穫期を意識した時,贖罪の必要な痛恨の忘れ物をもはや無視できなくなったからだ。
本作は老人の生き方を通して,人の道理をシンプルに,まっすぐに提示していく。
親と子,兄と弟,見知らぬ人へのもてなし。
なぜ悪意が描かれないのか。どうして皆老人に静かに圧倒されていくのか。
これからも21世紀を生き続ける若輩者に突きつけられたその意味は,重い。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (4 人) | [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。