[コメント] ウォーターボーイズ(2001/日)
そもそも学祭の一ヶ月以上前からプールを釣堀にすること自体意味不明。 学祭まで魚のエサ代はどうするのか?維持費は?夏休みはプールを他に使う事は? などと、そのあたりは本当にどうでもいいような適当なつくり。また、これを 割り切ってるという言葉はこの場面ではお門違いだし、テストで放流したにしても 数が多すぎてそれは考えれない。
演技にしても、真鍋かをりは女優ではないとはいえ拙く、 またそのシークエンス自体は違和感を思わせる作り。泣き出すのも ちょっとおかしいし、あのシーンはギャグで笑わせるところなのに寒いのも問題。
平山綾とくっつく過程も適当で、またポスターを見せて名前を知ったにも 関わらず、主人公が平山が自分がシンクロをしているのを知っているのか?等と 疑問に思っているシーンも妙だし、妄想シーンも唐突&白けるのが難。
また、竹中直人はシンクロの知識がまるで無い(しかも教える気もなかった) のに関わらず、基本技とはいえ名前を覚えているのもちょっと疑問に思える。 位置付けにしても、魚の業者なのか、鯱の調教師なのか分かり辛く、混乱を招く 作りになっているのもマイナス。杉田と並ぶと教師にも見えるのでさらに難。
あとラストの集団演技のカタルシスは、 確かにそれまでの鬱憤を取り払うかのような会心の出来なのだが、 どうせ「いつそんなに巧くなるまで練習したんだ?」と 思わせるくらいの上達ぶりをノリで見せてしまうのなら、もっともっと 実際のシンクロナイズドスイミングで見られるような高等演技も見せて 欲しかったところ。あの期間で、最初のポージングあたりからして息のピッタリ あった演技なんて覚えられる訳が無いのをやっちゃってる訳なんだから、 それならそれで、もっととんでもない事をする思い切りが欲しいところ。
内容が内容だけに、もっと情けなさややるせなさを感じさせて タメを作り、最後に爆発させる作りにしたら傑作にもなっただろうが 本作は、中途半端な笑いを獲ろうとし、尚且つ曖昧な設定が多いため タメが作れず、せっかくのラストのカタルシスをラストだけのカタルシスに してしまった感がある。これが最初から続いたモノだともっと素晴らしい 大興奮のラストになっていたのだろうが、あぁよかった程度で終わってしまってるのである。 とはいえ、後味の良い映画で劇場を出る時は笑顔で出られる作品と言う事は確か。
だが、やはり「映画はそんなに甘くはない、ラストだけでは・・・」と いうようにも思える作品でもあるのだ。
どうでもいいが、ラストの主人公の行動も、まんま『フルモンティ』なんですよね。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (29 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。