[コメント] ブラザーフッド(2004/韓国)
戦争映画という「娯楽」。
いろんな意味ですごく力のこもった作品。
俳優たちの熱演ぶりも、「プライベート・ライアン」以来おなじみとなった 肉片が飛び散る戦闘シーンも。
そして、たかだかと謳う兄弟愛も。
そうして、ひとつの「娯楽作」が生まれる。
これは半分皮肉であり、かつ半分は皮肉ではない。
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戦争にまつわる「英雄伝」は人間文化に必然的だと思う。 そして、元来多くのひとがそういう英雄伝を愛している。 私も例外ではない。信長も信玄も義経もスターだ。 それでいいのである。
反面で、現代は戦争映画は「反戦映画」であらねば「ならない」。 まさか、戦争を称賛する映画はとれまい。
だから、現代の戦争映画は、こういったギャップのなかで一つの娯楽作を 生み出さねばならない。
そのために、どの作品も苦労しているのである。
この作品は、「兄弟愛」を前面に打ち出すことで、そのギャップを超えようと した。 もちろん、チャン・ドンゴンもウォンビンも英雄なのであり、 見終えた感想が「格好よかった」でもいいのである。 そもそもこの映画は、明らかに「娯楽作」を意図したものなのだから。
しかし真面目な鑑賞者は、朝鮮戦争に思いをはせる。 朝鮮戦争とは何であったかをこの映画から学ぼうとする。 あるいは実感しようとする。 そういう人なら「格好よかった」という感想に腹を立てるのかもしれない。
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このギャップは、結構本質的な問題なのかもしれない。
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