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[コメント] 隠された記憶(2005/仏=オーストリア=独=伊)

犯人がわかりにくいのは、できるだけ犯人そのものの存在を否定したかったからだろう。
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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ドラマの主人公たちの体験を通して、観客に観客自身の「過去のやましさ」を想起させる、という監督の動機はわかる。それは結局「自省」というテーマであり、そのことを最重要に描くために、他人たる犯人の犯意さえ否定したかったのだと思う。つまりこの犯人(盗撮をしている人物)は無意であればあるほどテーマが生きてくる。だから、最初の頃の「家を延々撮っていた映像」くらいで、主人公が過去の忌まわしい記憶に悩んでいくというのがベストだったんだろうなあ。

映像が具体的な意図をもち始め、イラストが出てくるに及んで、ついに「犯人の動機」というものに話が向かいだしてから、この話はもう持たなくなってしまったのだろう。…難しいねえ。

(評価:★3)

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