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[コメント] 天使と悪魔(2009/米)

原作未読かつ『ダ・ヴィンチ・コード』も未読に未見。そんな初心者には優しい作りでしたが…。見所はローマ・バチカンロケ。
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ローマ・バチカンのロケは頑張ってた。CGかもわからないけど、サン・ピエトロ広場にごった返す大群衆は圧巻。空中爆破した反物質の爆風で、その群集やテレビ中継の機材が文字通り猛スピードでなぎ倒されていく絵の面白さ! こういう面白さは映画でしか描けないね。その後ヘリから落下してくるカメルレンゴのきりもみ降下の描写も、本当にリアルかどうかはわからないけど見事。だんだんゆっくり下降しだすと、群集がその英雄を無事着地させようと、届かない手を伸ばして追いかけていくような、そういうウェーブが起こる様子が見られることが、見てきたような嘘をきちんとついているようで面白い。

街中を駆け回るラングトン教授一行も良かったんだけど(ほとんど金田一”あ〜っしまった!”耕介状態でしたな…)、いかんせん数時間の出来事っていうのが勿体無い。ノンストップっていうのもいいんだけど、この間に戻ってきた資料室で死にそうになったり、ホテルで着替えたりしてるっていうのをもう少しアクセントとして上手く使えれば、もっと観光情緒を出せたんではないだろうか。時間はないんだけど、走って息が切れて、夕陽がさす石段でへたばっている横を観光客が記念写真を撮っていたりとか、そんな感じの描写とかあればなあ。

ベルニーニの彫刻って登場したところで、「よし指差してるこっちの方だ!」ってだけで終わっちゃうし、田舎の食堂の案内人形じゃないんだからさ。私に教養があれば「そうかここでこの像か!」って膝をうてるのかな? 広場の敷石の絵の中に謎解きの図像があるっていうのでも、「うえ! この人ごみのだだっぴろい広場でどうやって見つけんの!?」ってせっかく興奮したのに、教授があっさり見つけちゃうし。前作の反省としても、謎解きファンにはつらい作りだ。

一番の不満はCERNの描写。これ要するに、畏敬すべきCERNの施設とバチカン教会っていうのが対になっているわけでしょ。CERNの円形加速器とバチカンの回廊は、宇宙を生み出す「科学」と「宗教」の神殿ってわけで。それならもっとCERNの内部を見せて欲しかったよなあ。せっかくロケしてるんだから。これじゃただブツが盗まれる所ってだけで終わっちゃってるし。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)SAI-UN 死ぬまでシネマ[*] けにろん[*]

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