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[コメント] 天河伝説殺人事件(1991/日)

「謎解き」と「旅情感」に欠ける2時間サスペンス。榎木孝明や加藤武らが演じるキャラの魅力だけが幸い(個人的には石坂浩二がGOOD)。
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







先に解答の目星がついちゃうのに、なかなか事実関係の解説がされない。犯人も動機もわかった後から、「初めて知る事実関係」があまりに多く語られるというのは、謎解きものの構成としてかなりマイナス。『悪魔の手毬唄』を観た人は、更に別の失望も加わったかも。

宗家の跡取候補と目されている兄妹が、本編では「どっちが跡取として相応しいか」という話をしているだけなのに、回想シーンでは、その時点ではまだ当人が知らないはずの「自分たちが異母兄弟である」という話をしているというありえないシーンがあったりとか、かなりグダグダでした。

が、それでも旅情感を感じさせてくれれば、観客のかなりの人は納得してくれたように思う。本作に興味を持った人の多くは「天河伝説」というタイトルに惹かれたんではないか、と思うからだ。でも、東京と吉野という舞台を、登場人物があまりにいったりきたりするせいか(現実には可能なんでしょう。そんなに遠くないし)、せっかくの距離感が喪失してしまい、結果「秘境」や「伝説」へ誘われる、っていう感じもなくなってしまった、というのが一番痛いかな。

(評価:★3)

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