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[コメント] ローン・サバイバー(2013/米)

サバゲーが趣味の息子の推薦で鑑賞。兵士の目線で描かれる山岳での退却戦の描写の生身のスタントが凄まじい迫力。「政治として語られる戦争」の対極にある「現場の戦争」。
おーい粗茶

確かに「アフガン侵攻に関し理あり」を前提としたアメリカの視点から描かれた作品ではあるが、戦闘行為に巻き込まれるということはこういうことなのだろうということに虚飾はないだろうと思う。

安保関連法案の問題のひとつとして、自衛隊が正式に軍隊として認められていない中での軍事活動がある。なにしろ戦闘行為に巻き込まれた際に、身の危険が損なわれるから相手を攻撃する、という判断は、組織としてのそれが許されず、隊員の個人の判断にゆだねられるのだ。つまり銃撃戦のさなか、「敵」ではなく民間人を殺傷した場合、個人の責任になってしまうのだが、それでは相手を殺傷することに躊躇してしまう状況が多発し、政府と国民はその判断責任を隊員一人に押し付けることで平和憲法保持者でいることができるということになってしまう。それで本作のような目にあったんじゃ兵隊としてはまったくやってられない。そんな法律不備のまま自衛隊の隊員を世界の戦闘地域に送り出していいものかどうか、安直に法案に賛成する前にこういう作品を見ておくことは価値があると思う。

(評価:★4)

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