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[コメント] スプリット(2016/米)

筋が整ってふつうに楽しめた。
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







シャマラン監督作品といえば、つかみは「何々?」っと惹き込ませるが、終盤グタグタのハッタリ寄りな作風という印象だが、本作は逆に中盤から盛り上がってきて、ちゃんとクライマックスで盛り上がるという整った作劇になっていた。

ただうまくいかないなあと思うのは、今度は逆に謎に興味が惹かれるはずの前半がイマイチ。女の子たちが誘拐された目的は何? 場所はどこ? 誘拐犯の男の正体は? これから何が起きる? どうやって脱出する? そこにはどんな罠が?…などなど、監督お得意のサスペンス描写が存分に腕を振るえるはずの設定てんこ盛りなのに、なんかイマイチぞんざいで中途半端。「裸のダンス」とか「床用の洗剤と陶器専用の洗剤」なんて、いつもの監督なら、結果何でもなくったって「さも何かありそうな風」に盛れたはずなのに…。つまり観客にあることないこと想像させる、そんなサスペンスポイントがあるにも関わらずそれに全然執着を感じない。だから、窓からの脱出を考えて、少年人格の時の男をだまし、CDラジカセのところまでやっとたどり着いたら、そこに「窓の絵」が貼られてて…なんていうおいしい場面を「台詞で説明する」なんていう最低の演出でムダにした。ぜんぜん絶望感ゼロ。おいおい何やってんのよ、監督!って感じでどうしようもない。博士のところでセラピーを受けるシーンとかも何度も出てきて退屈(結果何も起こらなかったにせよ、ここで何か起こりそうな気配でもあればいいのに!)。ヒロインの少女時代の描写も最初意図が読めないから、せっかく監禁で緊迫しているのになんか邪魔。

そのかわり24の人格がいよいよ誕生するってなってからは俄然盛り上がる。博士のメモ書き「ケビンの名前を呼んで」からの、人格が主導権を争って入り乱れる様はかなり面白かったし、ラストでヒロインが助かった理由も説得力があって良かった。

監督も衝撃のデビューからの相次ぐがっかりと、大作での大コケをばねに、きちんと大人のものつくりができるようになったなぁ、と思ったら束の間、ラストで『アンブレイカブル』のネタを仕込んできた。あれ? ブルースなんとかじゃね? って『アンブレイカブル』知らない人は、せっかくの謎解きの「腑に落ちた」感を楽しんでいたのに、別種の変な謎がわりこんできてしまっている。「この話、なんと『アンブレイカブル』とひとつながりなんですよ! すごくないですか! シャマランワールド」って知らねえよ! もう幼児性まるだしじゃん監督、と思ったらこれはさすがに次回作のネタふりでした…安心。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)ゑぎ[*] プロキオン14[*] deenity[*] 寒山[*]

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