もう『ターミネーター3』とか『ターミネーター4』がどういう話だったか覚えてないけど、本作はひたすらしつこいターミネーターから逃げる戦う逃げるの繰り返し。「らしさ」にこそ、そのコンテンツが愛された要素があるわけだから、これが一番良いんだけど、予想通りを最後の最後ラストシーンまでなぞっていくことになり、まあ、しょうがないっちゃあしょうがないんだろうけど、実際問題何の感興も沸かない。これについてはまた後で書くとして。。

技術的なことはわからないけど、アクションシーンはハイスピード撮影のコンピューター処理がスムーズになって、格闘アクションからカーチェイスまで、とにかく速い速い！　コマ落としみたいな方法で速く見せているのはわかるんだけど、動きがギクシャクしていないっていうのが本作のVFXの見どころですかね。新型ターミネーターがこれぞチート級のしぶとさで、女兵士グレースがとにかく新型ターミネーターが回復するまでの時間を長引かせるため、ダメ押しのダメ押しを繰り出しこれでもかと破壊するアクションが面白い。それでもムクムク再生することによって「しつこさ」が強調されるわけだけど、よく考えると打たれ強いほうの能力より、もっと攻撃力に決定的な能力を持たせた方がいいんじゃないかって思う。

新しいシリーズのために、ついに「スカイネット」ではなく新たなテクノロジーによる人間支配という設定を導入。ＳＦのジャンルとしては「タイムパラドックス（因果関係）」物の面白さであったこのシリーズの肝を、「パラレルワールド」の導入で放棄してしまったことは地雷ではないかと思う（「スカイネット？　What?」って、結構がっくり来たファンは多かったのでは？）。知覚している世界が唯一の世界であるからこそ、ターミネーターシリーズのテーマである「今行動すれば未来は変えられる」があるわけだけど、正直、鑑賞後の感想は、見終わって何も残らないどころか、何も終わってさえいないじゃん、だってまた別の「倒せなかった」パラレルワールドがあるわけだから、、という徒労感(^^;)だった。