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[コメント] カンバセーション…盗聴…(1974/米)

こういうのを意欲作というんでしょうか。全体としてはまあまあなんだけど意欲的なところが好きなので+1点。ジョン・カザールっていいなあ。助手っぽさがたまらない。ロバート・デュバル が出てきた時はなんだか嬉しくなってしまった。
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
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コッポラの描く「殺し」のシーンってかっこいいね。基本的にリアリズムなんだけど劇的(芝居的)。

対象が画面で見にくい位置にアングルされていたり、あっという間に事が起こったり、「意識外」、「唐突さ」で本物っぽさという効果を狙うっていうのはありがちなんだけど、大抵生々しいだけで終わってしまう。コッポラのはあくまで「美>生」で、さまざまな小道具や舞台装置を織り交ぜて目を楽しませてくれる仕上がりになっている。『ゴッド・ファーザー』なんてまさにそれの見本市なわけだけど、本作も冴えてるな〜と感心してしまった。

とりわけ今回、実際の殺人を予知し間近に詰め寄りながら、事が起こるや、恐怖に何もできずベッドにもぐりこむところの場面なんかすごい好き。数刻が経ち、頭から被った毛布の中から、TV番組をじっと見つめている目にたまった涙。こういうシーンがあると、全体の完成度いかんよりも、お気に入りに作品になってしまう。

盗聴を知るがゆえに、自分というものを常に消そうとしている男が、盗聴した会話の内容にふみこんでいき、他人を救おうと主体的にアクションを起こす。今なら人間性の回復というテーマで収斂させていくところなのだろうが、ああいう結末になっているのは、時代の気分なのか。

ラストで、主人公を高見からとらえ、部屋を左右に何度か行き来するカメラワークって、監視カメラの動きなんだろうか? そうだとしても、社会の閉塞性を告発するような視点を持ち合わせていないので、あまり効果があったようには思えない。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)TOMIMORI[*]

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