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[コメント] スターリングラード(2001/独=米=伊=アイルランド)

ヴァシリは粛々と人を撃っていく。それが狩場の論理というものなのだろうか?
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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彼は粛々と人を撃っていく。それが戦闘員ではなく工兵でさえも変わらない。生きるためとか、彼女のためとか、国のためとか、というよりも狩場の論理に従って撃っていたのだろう、と思う。そうでなければ最後のテロップの「その後も狙撃兵として勲功をあげ続けた」という、人物像に結びついていかない。

ハリウッドのメジャー大作なら、彼が狙撃し続けた理由を、できれば現代でもわかりやすい範囲で、仲間のため>彼女のため>自分のため>国のため、のような順に求められれば理想的だったのだろうが、安易にそういう方向に話を持っていかなかったのはよかったと思う(宣伝文句は違ったようだけど)。でも、そのかわり今日この題材で(しかも外国の人間が)これを撮るなら、制作者は、これを今日鑑賞する人に向けて「なぜ主人公は人を殺し続けていったのか?」ということは語るべきだったように思う。主体的に人を殺す主人公をとりあげるなら、少なくとも「自分はこう思っている」という意見は作品を通して聞きたかった(やられる側の視点で描けばいい「プライベートライアン」のほうは、ずるいといえばずるい)。「なぜ彼は殺すのか?」を知りたいという気持ちは、これがアクション映画であっても変わらないと思う。で、結局のところ、それが狩人の哲学なのかな?と思った次第です。

で、ヴァシリがドイツ中尉をしとめ、死んだ友人のところに戦果をつげにくるところの「やってきたぞ」という表情にそれを少し感じたのだが。でも、基本的に監督彼のキャラクターの本質からは逃げてますね。

マタギに動物愛護を説く自信はゼロに近い私には、ヴァシリのような人は、簡単には自分の理解のできる範疇の人間ではないのだと思う。ジュード・ロウの瞳は、もっとあさってのほうを見ているような感じのほうがよかったかな。

ところでレイチェル・ワイズは、『ハムナプトラ』の時とは雰囲気が全然違って萌えでした。ロシア人の女性の名前って、音が「〜チャ」「〜ニャ」とかって可愛いですよね。ターニャ!って可愛い〜!。

(評価:★3)

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