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[コメント] アルカトラズからの脱出(1979/米)

淡々とできることをやるブレない男のかっこよさを見るべき作品。脱獄ものは好きだけど過度にストレスを感じるのはいやという人にはいいかも。
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







たえず可能性を探りながら過ごしているが芽のないうちは動かない。しかし、一旦その可能性が見えてくるや、すぐさま行動に移し、どんなにそれが大変であってもコツコツこなしていく。モーリスが悪党であっても彼のそのブレのなさにこそ惹かれるのだろう。

ただ、「悪党であっても」と書いたが、はっきり言って彼は悪党だかなんだかわからない。彼はおろか主要囚人は、モーホを除いて誰一人として悪人に見えない。みな良識と見識のある人に見える。対して刑務所側はキレ者(頭の鋭い人のほう)が一人も出てこない。どっちかというとアルカトラズという堅牢に頼り切ったゆるささえ感じる。どうもアドバンテージが終始モーリスのほうにあったような印象が強い。

また冷酷な所長というが、大して冷酷に思えない。冒頭でいきなり爪切りを奪われるというチョンボをおかし、後々それに気がつかないという甘さを露呈してしまうのもよくない。これじゃ彼が「6番」として収監されていたところのほうがよっぽど厳しいぞ。所長も看守もそもそもこのアルカトラズでの生活も、なんか説明されているほど酷薄な感じがしない。脇が甘い感じがする。モーリスたちの脱獄までの淡々とした準備過程は面白かっただけに、敵の凶悪さ(<「悪」てのもおかしな話ですが)不足なのが惜しい。

とか言いつつもやっぱり嫌いになれないのは、あのハリボテの首。本作はあれで語り告がれると思う。あれに+1点です。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)Orpheus 3819695[*] けにろん[*]

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