妻や子どもという家族と、マフィア、2つのファミリー。アル・パチーノのドン・コルリオーネは、マフィアを企業化することで、家族を守ろうとした。マフィアのコルリオーネ・ファミリーの絆は、薄くなる。クリーンになるはずだった企業体・マフィアは逆にますます複雑化し、ダーティになっていく。自分の家族も、守れなかった。1世代前のドンたちは、2つの"ファミリー"の絆を大切にし、守ったのに・・・

この映画は、古い価値観を一概に否定し、核家族化が進んでいく現代への風刺かもしれない(・・・ことはないかもしれない^^;)

ビデオでこれを見ていた日の新聞の社会面に、小さく、「米マフィアの実力者」の訃報が載っていた。イタリア・シチリア島の出身、50年代から60年代のニューヨークを支配したボナンノ一家のドン。抗争でニューヨークを追われ、68年に引退。アリゾナの病院で病死。97歳。なんだかしみじみした。

幸せになりたかったのに、幸せになれなかった、一人の男性を描いたんだと思う。

しかし、映像が美しい。シチリア島やバチカンのシーン、重みがあってきれい。映画館で見たかったなあ。