[コメント] ムッシュ・カステラの恋(2000/仏)
それが金の多寡であれ教養の多寡であれ、階級的な落差に隔たれる恋の物語は、鑑賞する者の心を惹きつけてやまない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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そしてその恋の成就が鑑賞する者にカタルシスをもたらすのは、現実、つまり階級的な落差という埋め難い隔たりの存在を一時だけ忘却させてくれるからだろう。
不器用なカステラ。恋する相手に猪突猛進し、教養ある部下に敬意を抱きつつも嫉妬を隠せないその姿。
そういう姿をかわいい、と上から眺められるのか、まるで自分をみているようだ、と共感してしまうのか、そこが一つの分岐点。
後者であったぼくは、振られた後に相手に対して毅然とした態度を取ったカステラの男気に心の中で拍手した。
そのまま終わればよかったと思う。 予定調和的なこのエンディングは、上から眺めて「かわいい」とか思ってる鼻持ちならない人たちにもカタルシスを与えてしまうから。
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